快適!!移動式住居「ゲル」

74ゲル(400).jpg私は青年海外協力隊の隊員として2年間、モンゴルで活動、生活をしてきました。その経験の中から、日本のみなさんに知ってほしいことや紹介したいことを、建築に関係するもの、しないもの、特に意識せず文章にしたいと思います。

 

まずその1回目として、ゲルを採り上げます。モンゴル青い空と白い雲、そして緑の草原に丸いテントがぽこぽこと点在する画を、たくさんの方がテレビや写真で目にしたことがあるかと思います。詳細はWikipedia等で簡単に調べることもできますが、実感として非常にシンプルで機能的な空間(住居)だと言えます。

モンゴルは夏の暑いときには40℃近くに達し、冬の寒いときには−30℃を超える厳しい環境です。それでも、ゲルを覆っているフェルト製の布の裾をめくりあげると、乾いたそよ風が通り抜け、ストーブが炊いてあれば外は氷点下の世界でも、中は十分に暖かく、実に快適です。 

夏は水の確保しやすい場所に、冬は風をしのげる場所に移動するために、それぞれの部材が全て分解可能で、ごく身近にある材料しか使用していないこと等を考えると、とてもよくできた建物だと思います。

そのような物質的な要素に加えて、(もちろんトイレや風呂はありませんが)直径が4〜6m程度の円の中で家族全員が生活を共にしているということが、ゲルのいちばんの魅力かもしれません。モンゴルの人たちの、物事にこだわらない、おおらかさの根底は、古くからのゲルでの生活にあるのかもしれません。